難病を患う患者さんの多くは、確立された治療方法がありません。そのため暗中模索をしながら、長期にわたる自宅での療養に取り組んでいます。難病看護師は、自宅療養に取り組む患者さんを訪問し、在宅医療と難病看護の2つの観点から患者さんに適切な看護ケアを提供することが求められます。その際には、看護師にとっても分からない事や疑問に感じることが多々あるものです。そんな時に役立つのが、難病ケア看護データベースと呼ばれるヒヤリハット事例を集めたデータベースです。これは難病ケア看護に取り組む看護師のために構築されたデータベースで、難病ごと、事例ごとにヒヤリハットな報告書がまとめられています。難病に取り組む看護師にとっては、具体的な事例が集められているデータベースなので、より実践的な知識を学べるバイブル的な存在として活用できます。このデータベースは、一般公開はされていません。しかし医療に従事する関係者なら、無料で会員登録したうえで利用できます。ヒヤリハットな事例を集めており、難病ケアの在宅医療現場において安全性を高める目的で活用できるのではないでしょうか。特に、患者さんの命に直結する在宅人工呼吸療法では多くのヒヤリハットな事例が集められており、この分野の難病ケアに携わる看護師にとっては、とても役立つ情報が満載です。今後ますますニーズが高まる難病ケアや在宅医療ですが、こうしたデータベースを活用することによって、看護師の知識やスキルに関しても大きなメリットが期待できるのではないでしょうか。